『教養としてのプログラミング講座』と『入門 コンピュータ科学』と『はじめてUNIXで仕事をする人が読む本』
なんとなく相補的な関係にありそうな本がまとまって出た気がするのでちょっと書いてみる。
「ケンカ剣法」なる剣法がある。ちばてつやさんの漫画『おれは鉄兵』の主人公、上杉鉄兵の剣法で、正統じゃないんだけれども滅法強い、という。正統派というのは極めれば圧倒的に強いわけだけども、ケンカ流というのも侮れない、というのはわりとあることのように思う。元真剣師の棋士、花村元司を圧倒したという大山康晴の戦績がよく語られるけども、それはむしろ逆に、大山ほどの強さでなければ、圧倒できなかった、と言えるのではないだろうか。

- 作者: 清水亮
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/03/07
- メディア: 新書
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続いては、

- 作者: J. Glenn Brookshear,神林靖,長尾高弘
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/02/18
- メディア: 大型本
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さて3冊目、

- 作者: 木本雅彦,松山直道,稲島大輔,株式会社創夢
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/03/21
- メディア: 大型本
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ある時ある所で聞いた言葉で「コンピュータ科学の教育の目的は、root仕事ができる人間を養成することではない」というのがあって、そりゃ正論としてはそうなんだけど、研究や業務にUnixが有用なツールであることは確かでWindowsしか使えないようでは実際どうよ、って言われそうです(ツール類を動かすプラットフォームとか、海外のメーカーはあっさりLinuxにするところが、国内のメーカーはCygwinという傾向がある、という気がするがどんなものか)。
タイトルの「仕事」というのは、雑誌の4月号が「新人のための」特集を組むようなもので、そのへんを狙ったものと思うがJobに限らずOccupation(語義として、必ずしも雇用関係を意味しない) としてUnixを使う人、さらには趣味でPC-Unixを使っている人でも知識とスキルの補完のため(特に、システムの重要な部分を吹っ飛ばしてしまって主要コマンドですらロクに動かない状況で、シェルだけでなんとかする技、であるとか)、あるいは古い本の古くなってしまった内容や、近年のトピックが追加された本として、これも新定番と言っていいだろう。