『計算機屋かく戦えり』は素晴らしい本なのだが

『計算機屋かく戦えり』は確かに超一級の文献ではあるのだが、本の第一目的としては生の声を残すことにあり、技術や歴史を学ぶための本ではない。計算機科学の入門書などで(えてして入門書にさらっと書かれる「歴史」はあまり正確ではなかったりするのが問題だが)計算機科学の基礎知識を、『日本のコンピュータの歴史』( ISBN:4274072460 )などで「正史」を、それぞれ学んだ上で、各人の発言を吟味してこそ、『計算機屋かく戦えり』はその真価を発揮する本だと私は思う
問題は『日本のコンピュータの歴史』が長らく絶版状態なことで、IPSJ の紹介文を見る限りでは新刊の『日本のコンピュータ史』は 1980 年以降を扱っているとのことで、黎明期の「正史」に触れるのに図書館、しかもかなり限られた図書館に頼らなければならない(アマゾンのマーケットプレイスにも見かけないから、ほとんど数が出てないのだろう。とはいえ私は古本屋(都内)で買っているのだが)わけであるからこれは問題ではなかろうか(たとえば静岡県の場合で言うと、おうだんくんで調べたところ県内には県立図書館にもなくて、富士市静大に一冊づつしかない)
追記: webcat で調べてみると県内で 5 冊ほどある。おうだんくんの検索範囲が県内の大学を網羅してないためか。都内とか大都市圏なら大学に結構あるわけだが