三大日の丸メインフレーマと旧帝大大型計算機センタ

先日、東大に富士通スパコンが導入されるという話があったのだが、計算機の界隈を見てもその衝撃がいまいち伝わっていないようなのでちょっと書いてみる
日本における大学への計算機の導入は、1950 年代の、大学において計算機そのものを研究の対象として、建造をしていた時代を経て、1960 年代にはメーカが本格的に大型計算機(こんにちで言ういわゆるメインフレーム)を量産する時代に入り、大学も「大型計算機センタ」を開設しそこに計算機を設置するようになった
文部省の政策として、東大を皮切りとして旧帝大の各学に計算機センタが開設された。東大の機種選定ではすったもんだあったものの、日立の伝説の HITAC 5020 に決定した。富士通池田敏雄氏の伝説におけるハイライトのひとつであるが、その後の京大の機種選定では FACOM 230 が選定される。東北大学では前述の研究時代からの縁があった NEC 系で NEAC を導入した。(東大の場合、1950 年代のパラメトロン機の PC-2 は富士通と共同、真空管機の TAC は当初は東芝と共同のプロジェクトで、後期にかかわった大学院生はその後日立に入っている)
そんなこんなで、これら各大学の計算機は、伝統的に代々これら国産メインフレーマ各社の製品が導入されてきたわけであるが、約 40 年続いたこの慣例についに変化が見られた、というわけなのであるからして、けっこう衝撃的なできごとなわけである
(もし東大の機種選定が System/360 の発表後だったら、というのは非常に大きな「歴史の if」だと思っているのだがその話はまた別の時に)