TRON・ユビキタス技術研究会

行ってきた。以下メモなどから
http://www.t-engine.org/japanese/workshop/201006.html
6 月 25 日 東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館 93号室(なんか部屋割りに枝番があったけど忘れた。D だっけ?)
進行越塚登

基調講演「T-Kernel 2 に向けて」坂村健

  • この会についてとか、最近の話題とか
    • 昔は「トロン技術研究会」とか、インターナショナルカンファレンスとかやってた
    • インターナショナルカンファレンスのプロシーディングは世界的に届けるためにシュプリンガーフェアラークから出したりしてた。この研究会については考え中(ウェブで公開するのだろう)
    • トロン協会が昨年度で終了となり、新しい動きをいろいろとやっているその一環
    • IOT 2010 ( http://www.eu-ems.com/agenda.asp?event_id=55&page_id=347 ) とか、ヨーロッパに行っていた
    • ICOST 2010 ( http://www.icost2010.org/ ) とか、韓国にも行っていた
    • 定例の研究会を年 2 回(次は 9 月)、あと TRONSHOW で NoTA Conf. とかやるのでそれと同時にやる
    • はやぶさITRON
  • T-Kernel 2
    • 12 月リリースの予定
    • 寄せられている要望
      • より高機能に
        • パワーマネジメント
        • キャッシュマネジメント
      • より高性能に
        • 時間単位にマイクロ秒を導入
        • 64 ビット化
        • 昨今の大容量ストレージへの対応
      • より使いやすく
        • 周辺環境(T-Monitorなど ?)も(同じライセンスで?)提供
        • ドキュメントも力を入れる
    • 基本方針「100年ソフト」は継続 → 後方互換性を保つ方針で
    • その他
      • T-Engine リファレンスボードをフォーラムから提供
        • フォーラムから提供されてる範囲以外のデバドラにはバイナリblobを可とする
      • T-Kernel Extension を使うためのマニュアル
      • ライセンスも新しく。トレーサビリティ?
      • ソースコードのトレーサビリティ リリースを ucode で管理とかなんとか

以下はそのうちハンドアウトと同じものがサイトに載るでしょう

セッション「ITRON の最新動向」

  • ITRON の今後」
    • 昨年までオープンセミナーでやってたもの
    • トロン協会の「ITRON仕様検討グループ」からT-Engineフォーラムの「ITRON WG」へ
    • 恒例のアンケートは「調査研究WG」へ
    • 今年は、マルチコアに向けて事前調査。「拡張仕様」とするか「ガイドライン」とするかの見極め
  • アンケート報告
    • 使用したプロセッサ、の質問で ARM が昨年に比べ伸びている
    • プログラムサイズの動向を見ると、大規模化が進む一方で、64K 以下もあいかわらずある
    • マルチコアプロセッサについて、なんらかの形で積極的な回答が 47%
    • TRONWARE 123 に記事
    • 今年も ET2010(12/1〜3 パシフィコ横浜)で調査します
  • マルチコア対応の現状報告
    • AMP, SMP さまざまで、コアをまたがるシステムコール発行も制限なしから中程度まで

AndroidLinux を T-Kernel で置換える

  • ハイパバイザじゃないよ
  • eT-Kernel/POSIX に手を入れて fork とかを Linux 互換に
  • Andoroid の Dalvic VM は spawn (fork してすぐ exec) モデルでないので fork 重要。特に COW
  • pthread とかシグナルとかもサポート
  • eT-Kernel の仮想ファイルシステムと、POSIX FS を接続するプロファイル
  • 直接は関係ないんだけど WindowsAndroid SDK をビルドしたり GCC 以外でコンパイルできるようにしたりした。これが一番大変だった。RVCT でコンパイルすると性能が出る
  • 質疑 Q. GPL フリーな Android 環境として引き合いがあるのではないか? A. Android の HAL というモジュールは、カーネルモジュールとして実装するようなものを、GPL 回避のためにユーザーモードのモジュールにしてるような所がある。そんな感じで Android 自体が GPL を気にしているようだ

組み込みシステム開発マイスターの育成教育

  • なんというか羨ましい設備。大学でもごく一部でしかこれほどの設備はないのでは?
  • 英語のほうは大丈夫ですか?(東大の学生の人だろうか?)という質問があって、発表者の応答は、なんかそんな質問をされるような覚えはない、みたいな感じだったけど、農工大に私がいた時の同期を見ていた範囲でも、高専編入生が英語で苦労していたという記憶はあるので(編入後何単位かの取得がたいていは必要になっている)、どうかな、と思った

ユビキタス応用にむけた組み込みスクリプティングの実現

  • Java ライクな構文
  • 静的型付け
  • Linux の LKM も作れる
  • メモリはわりと使う - 性能のため
  • スタックはそうでもない

実在性に基づく個人認証システム

  • 位置認識情報にもとづき個人認証システムを制御することで、他人によるなりすましのような不正を防ぐことができるシステム、ということでいいのかな?

T-Engine プラットフォームにおけるオープンソースソフトウェアの適応化手法

  • configure のやる仕事は手動でやる
  • pthread_join に直接相当する機能がないので、イベントフラグを使って同等の機能を実装する
  • 条件変数 pthread_cond_wait の実装は要注意(単純にミューテックスをアンロックして待ちに入るのでは問題がある)