LOMO LC-A 黒歴史miniまとめ

世間の話題からは半年ほど遅れているが、ちょっと気になったのでまとめてみる
けいおん! で澪が持っているカメラ

であるところの LC-A であるが、まぁ何というか、今まで私が知らなかったことから考えるとそう大きなブームにはならなかったようだけど、もしプチ特需でひところの不良在庫がはけたりした店もあったりしたらそれはそれで慶ばしいのかもしれないが
しかしまぁなんというか、元々微妙に黒歴史を背負っているカメラだというのは認識しておいてもらいたいなと思うわけで、ちょっと書いてみる

そもそも LOMO とは

製品であるカメラ LC-A の名前として誤認されることもある LOMO であるが、wikipedia:ロモ にある通りロシア(ソ連)の歴史に少々翻弄されもした、(現)サンクトペテルブルクの光学機器メーカーである

黒歴史 1。そもそもパクり

ウィキペディアの記事の LC-A の節にも書かれているが、外観は、コシナの CX-2 google:コシナ "CX-2"] をパクっている。しかしパクりでありながら、かつて B29 をパクって Tu-4 [wikipedia:Tu-4_(航空機) を作った時の「没収した機体にあった弾痕まで再現した」説まであるパクり魂、いやむしろ、本家ライカに先んじて一眼式(距離計ファインダーと画角ファインダーが同一)ファインダーを搭載したゾルキー3を作ったソ連のパクり魂はどこへやら、悲しきかな80年代、CX-2 のいちばんカッコいいギミックであるところの、フロントカバーを90度ひねるとレンズカバーが開く、という仕掛けを再現せず(できず?)、フロントカバーは固定となっている
また、パクりである証拠としてしばしば挙げられるのが、(ワインダーが商品として存在しないにもかかわらず)ワインダー接続用のメカがあることで、CX-2 の(コンパクトカメラらしくないスペックである)ワインダーが付けられるという仕様をそのまま真似したものとされている
(なお、CX-2 のワインダーが取り付け可能とする説があったが http://delta16v.sblo.jp/article/24523406.html によると否定されている)
まぁ似てる似てないを言い出すと、ミノックス35(リコーの見解)こちらは少なくとも見た目は忠実なコピーである

黒歴史 2。ロモグラフィーの日本での流行のかたち

で、ロモグラフィーと称して、この LC-A のひどい写り具合を楽しむ向きが現れたりしたわけだが、これを日本に紹介するに際して、周辺光量落ちを「トンネル効果」という何かの特殊効果であるかのごとく吹聴したり(E-P1 等の「トイフォト」フィルタはまさしくわざわざそういう効果をデジタルでやっているわけだが)、LC-A が軍用である等の怪しい伝説を付けたり(腐っても超大国で、軍用にはそれなりの(でもそれなりだが)の品質のものを作っている)というように、TokyoLomoHeads(現SuperHeadz)の煽りかたは、どうよ、と言いたくなるものがあった
その後、ロモグラフィー・ジャパンなるところが扱うようになるわけであるが id:mannin:20090128:p2 の「ロモジャパンは腹を切って死ぬべきである件」で偽デジタル写真屋氏がぶった斬っているように、LC-A に関わるのは困ったことをやる人たち、という系譜があるようである。まったく困ったことに
(安原一式を「一式」と称して売ってるようだけど、安原さんの許可取ってやってんのか? まぁ黙認ってやつかもしれないが)

個人的なおすすめ

少なくとも「銀塩カメラも嗜みたい」程度の理由でなら、明らかに他のカメラにするべきである。価格と機能の点で言うなら、今や中古市場で二束三文の国産銀塩カメラのどれでも代用になるだろうし、往年の日本製品であるわけで、壊れてなければ品質はどれもそこそこある
トイカメラを買うなら、最初からトイカメラとしてデザインされてるカメラでいいだろう。価格的にも