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温故知新話

この記事は Independent Advent Calendar 2015 の記事です。

古い本を読んでいると、ひょんな記述に出会うことがあります。そんな話をひとつ。

高橋秀俊先生編の岩波『パラメトロン計算機』という本があります( http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/7/0058200.html )。

パラメトロン計算機

パラメトロン計算機

近年はネット上にもそこそこ情報は多く、一次文献も一部は上がっていますが多くは二次三次の情報であり、まとまった一次情報としては同書が、まず当たるべき一次(ほぼ一次)文献と言っていいでしょう。和田先生のブログ「パラメトロン計算機」に時折エントリのあるパラメトロンの話題の背景として理解が深まるような情報があることも多いです。

ところで同書の204ページに、PC-1やPC-2の周辺機器ではありますが、パラメトロンと特に密接な関係にあるわけでもない鑽孔紙テープリーダーについて「各メーカー等の設計には疑問がある」として、以上のような図と、ちょっとした解説があります。同書は専門書ですが、ここの記述はどちらかというと(文体は固いものの)内容的には名エッセイ集『物理の散歩道』シリーズのおもむきがあります。

いわく、既製品などは皆、図の左の (a) のように集光レンズ(コンデンサレンズ。キャパシタではない)を付け、また、フォトセンサを紙テープの孔の直下に位置させるような設計としているが、これでは紙テープに孔が無い時と開孔時とで、センサへの入力の光量の差が少なく、しきい値の調整がクリティカルとなり、紙の色や質で微妙な調整が必要となってしまう。

右の (b) のように、レンズなど付けず点光源からの直線的な光線を利用し、センサを紙の下にフトコロを広く取って配置すれば、紙テープの孔が無い時には紙を透過する際に光は散乱光となり、センサに届く光量の減衰が大きい。一方孔が開いている時には光線が直接届く。このようにすれば、センサのしきい値の設定に余裕ができ、動作も安定する。PC-1の入力用には、このように改造して良好である。

と、だいたいそのようなことが書かれています。

もし紙テープリーダを作る必要があったら、実際にそのように違いが出るものか実験してみたいな、と思っていますが、残念ながら今まで機会がありません。