よくわかる現代魔法のサブタイトルがよくわかるエントリ

ネタバレばりばりですのでDVD or BDで初見予定という人は注意

参考資料

ジャーゴンファイル (wikipedia:ジャーゴンファイル) http://www.catb.org/jargon/
日本語訳書籍版

ハッカーズ大辞典 (Ascii books)

ハッカーズ大辞典 (Ascii books)

ハッカーズ大辞典 (Ascii books)

ハッカーズ大辞典 (Ascii books)

第0話 cruncha cruncha cruncha

http://www.catb.org/jargon/chaff.html#cruncha-cruncha-cruncha
重くなってるマシンに掛ける励ましの言葉。256倍よくわかる本67ページによれば、1975年のスタンフォード大学で動かないマシンに対してこう唱えたのが世界最初の現代魔法の詠唱呪文、なんだそうだ。元ネタのエピソードがあるのかもしれないが知らない
動き始めた物語に対して、励ましを(人気とか)かける意図だろうか

第1話 hello, world

プログラミングの最初の例題としておなじみのあれ。物語の最初ということだろう。問題は時系列順の放映でなかったことだが。人形劇では「高級言語の」と言っているが、高水準言語に限らずアセンブリ言語でも定番かと思いますが

第2話 wizardry

形容詞で、ウィザード専用の(対話型の自動設定プログラムのことではなくて、ハードウェアorソフトウェアのエキスパートのこと) http://www.catb.org/jargon/html/W/wizardly.html という意味がある。物語中の「魔法を習得するのは大変だ」というくだりを暗示してるのか、あるいはゲームのほうのウィザードリィ wikipedia:ウィザードリィ か(この回には出てこないが、原作のほうで「おっとテレポーター」とか「フードプロセッサーもわりかし強い」とかネタに使っている)

第3話 Deus In Machina

原作中のセリフにもある通り、機械の中の神、現代魔法のことを指している、と思われる

第4話 jini

アラジンの魔法のランプから出てくる妖精のことで、作中では現代魔法的な存在だが、アニメ化が見送られた原作4巻「jini使い」にJavaリング( http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/980528/ring.htm )が出てくることからSunのJini http://java.sun.com/developer/products/jini/index.jsp も意識している

第5話 jump off into never-never land

暴走したコンピュータが最後に実行した (架空の) 命令 http://www.catb.org/jargon/html/J/jump-off-into-never-never-land.html 具体的にはスタックフレームが壊れた状態で実行したret命令などが相当する
過去を見てくるだけのつもりのコードで、過去に入り込んでしまうことを示唆していると思われる

第6話 ghostscript

PostScript互換処理系のあれ wikipedia:Ghostscript 。ではなくて作中の、残留思念が魔法的に目に見えるもの、のこと。この回ではたくさん出てきたし

第7話 voodoo programming

「おまじない」に頼ったプログラミングのこと http://www.catb.org/jargon/html/V/voodoo-programming.html なわけだが、アイテムに頼って魔法を使おうという話なので、そういうことかと

第8話 scratch monkey

バグや誤動作でデータを失わないように、あらかじめつなぎかえておく壊れても大丈夫なもの http://www.catb.org/jargon/html/S/scratch-monkey.html のこと。犠牲にはならなかったけど、作中のクマのぬいぐるみか、飛行機に仕掛けられた爆弾のダミーのことを指しているのか?

第9話 Open DeathTrap

SCO Open Desktopの別称というか蔑称 http://www.catb.org/jargon/chaff.html#Open-DeathTrap 。openDesktop.org ( http://www.opendesktop.org/ ) とは関係ない。ホアンが仕掛けた罠、あるいは最後に発動した美鎖に(ほぼ)致命傷を負わせた、杖に仕込まれていた魔法を指すと思われる

第10話 quick-and-dirty

人形劇でQDOS (wikipedia:QDOS) が由来であるかのような説明があったけど、それに限らず一般的な用語で http://www.catb.org/jargon/html/Q/quick-and-dirty.html 手っ取り早いが汚い(そのような解決手段の)こと。11話で「たったひとつの冴えたやりかた」と(ゴーストスクリプトの)美鎖が言及しているが、ゴーストスクリプトを発動させるために致死的な重傷を負ったことを指すと思われる

第11話 Dragon Book

先日新版が出た、コンパイラの定番教科書のことであるが

コンパイラ―原理・技法・ツール (Information & Computing)

コンパイラ―原理・技法・ツール (Information & Computing)

その神話的な表紙(竜に立ち向かう騎士)のイメージから、ラストシーンの神話的な魔女ジギタリスの復活を示唆しているものと思われる(表紙のほうは、竜には「コンパイラ設計の複雑さ」、騎士の武具には各種のコンパイラ理論の名前が書かれている)
http://www.catb.org/jargon/html/D/Dragon-Book.html

第12話 TMTOWTDI

原作5巻のサブタイトルと同じで、原作では「たったひとつじゃない冴えたやりかた」と意訳している、Perlのスローガンとして有名なあれ、であるが、原作同様、解決法はひとつじゃない、という話になるということだと思われ
http://www.catb.org/jargon/html/T/TMTOWTDI.html